中小企業経営者にとって、「資金繰り」というのは悩みの種です。

資金繰りとは、簡単にいうと「入金や出金を管理し、手元の現金がなくならないように調整すること」です。

中小企業の場合、資金繰りに全く不安がない会社は稀です。

例えば製造業であれば、大量の注文が入るとお金が入る前に材料の支払が発生し、資金繰りが悪くなることがあります。加えて手形取引の場合は、さらに現金が入ってくるタイミングが遅れてしまいます。日本の商慣習は「信用取引」なので、当月の売上が即現金で入ってくることはなく、通常1か月後、ひどい場合は数か月後に入金される場合もあるのです。

中小企業にとっては、入金がない期間にも、従業員の給与や家賃、光熱費、営業経費などお金をどんどん出ていきます。そのあいだ手元にお金がないと会社経営できなくなってしまうのです。

特に気をつけないといけないのが「黒字倒産」です。「黒字倒産」とは会計上では黒字の状態であるにもかかわらず、資金繰りの面で、お金が廻らず倒産してしまうことです。つまり儲かっているのに、「資金繰り」が原因で会社が潰れることなのです。

通常、「倒産」というと赤字が積み重なり、債務超過(負債が資産を上回る状態)に経営状態が赤字になることが
原因だと思われがちですが、2018年に倒産した会社のうち、約半数にあたる47.73%が黒字倒産だそうです。

「黒字倒産」を回避する資金繰り対策としては以下の通りです。

①普段から資金繰り表を作成しておき、定期的に検証する

私も経営支援の際によく「資金繰り表」の活用をお勧めします。「資金繰り表」とは、今後の入出金の内訳が記載された表です。これによって、会社の財務状況が明確になり、資金ショートを未然に防ぐことが出来ます。
通常行っている月次決算のように「過去」を検証するだけでなく、資金繰り表を使って数か月先の入出金予測を行ない、「未来」を予測することが重要です。

②取引先に支払い条件を交渉する

手形取引や支払いサイトが長い場合は、普段から現金化やサイト短縮を取引先に「継続的な」交渉することが重要です。資金繰りを改善するには、いかに早く現金を回収し、支払いを遅くするかが基本です。そうはいっても中小企業の場合、相手は大企業が多いので交渉は難航しますが、あきらめず長期視点で交渉を行ないましょう。

③資金調達手段を確認しておく

普段から緊急時の資金調達手段を検討しておきましょう。金融機関に急に融資をお願いしても、受けてもらえない場合がありますので、普段から自社の決算状況等、情報共有を行なうことが重要です。生命保険の契約者貸付、不動産担保ローン、ファクタリング等銀行からの融資以外の資金調達手段もありますが、困ったときに検討しては手遅れになる場合もありますので、普段から資金調達手段は常に確認しておきましょう。

④中長期的に財務体質を改善する

これは中長期的な取組みになりますが、今の財務体質を改善し収益性を高めることで手元現金を増やし、「黒字倒産」を回避しましょう。手元現金は、「月商の3ヶ月分あれば資金繰りは安心」という見解があります。資金繰りが苦しいのは、事業性質上の問題もありますが、そもそも事業の収益性が低いという原因もあります。よって売上、売上総利益率、営業利益率、経常利益率において長期的に改善目標を立てて、月次で収益性を検証していき、会社の財務体質を改善していきましょう。

以上4つの施策を提示しましたが、並行して取り組みことが重要です。
当社は資金繰り支援も行っておりますので、お悩みの会社はご相談ください。