皆さんこんにちは!中小企業営業支援の津山淳二です。中小企業向けに営業強化、ブランディング、補助金支援を行なっております。
前回は「オンライン営業」についての基礎をお話させて頂きました。
まだ間に合う!これからはじめるオンライン営業の基礎
今回はオンライン営業をどう実践していくか、オンライン営業を活用してどのように売上をあげていくべきか、をお話ししたいと思います。
1.オンライン営業導入の目的を明確にしよう
オンライン営業には多くのメリットがありますが、当然デメリットもあります。その両面を十分に理解して、社内導入を進めましょう。最も大事なことは、なぜオンライン営業を導入する必要があるのか?を社内で明確にしておくことです。日本の企業は、このWHY(なぜ)が抜けがちで、WHAT(オンライン営業とは?)やHOW(どうやってオンライン営業をはじめるべきか?)が優先しがちです。ぜひ導入目的を明確にして取り組むようにしましょう。
2.ロジカルシンキングの重要性
ロジカルシンキングとは「物事を論理立てて考える思考法のこと」です。自らの「主張」とそれに対する「根拠」を矛盾なく明示することであり、ビジネスパーソンにとって必須のビジネススキルといわれています。ではなぜオンライン営業に、ロジカルシンキングが必要なのでしょうか?
それは、オンラインの特性上、対面営業に比べて、論理の矛盾が目立つからです。つまり、いきあたりばったりの営業が通じず、顧客を論理的に納得させることができないと次にステップに進めないからです。
ロジカルシンキングの思考方法は、シンプルにいうと、「①分解して考え②繋げて結論を出す」ということです。
例えば、販促チラシ作成を依頼する会社をA社かB社のどちらかに決めるとします。その場合、品質面、納期面、コスト面で分けて比較します。この3つはQCDと表記され、フレームワークの一つで、モレダブリがない状態です。仮にA社が3つの側面で優れていたとします。最終結論としてA社を選ぶという方法が、まさにロジカルシンキングです。感覚で決めるのではなく、「①分解して考え②繋げて結論を出す」思考法なのです。
ロジカルシンキングではMECE、ロジックツリー、ピラミッドストラクチャーと呼ばれる思考法がありますが、営業場面ではピラミッドストラクチャーの活用をお勧めします。ピラミッドストラクチャーとは、矛盾ないように「縦の論理」と「横の論理」を構築する手法です。
具体的には、提案の「根拠」を事前に用意することです。提案内容が、「どういう販売計画を立てるべきか?」というテーマだとします。「根拠」は価格面、流通面、商品面、宣伝面で用意します。この分け方は「4P」と呼ばれ、フレームワークの一つであり、モレダブりがない状態です。ここでの「縦の論理」は提案根拠であり、“なぜそうなのか?”を示しています。また「横の論理」はフレームワークの4Pになり“モレダブりがない状態”になります。これで縦と横の論理に矛盾がない状態になり、ピラミッドストラクチャーが完成されます。ぜひ、このようなピラミッドストラクチャーをオンライン営業の事前準備として作成してみましょう。
ロジカルシンキングを強化するためには、日々の営業活動の中で以下のことを意識するといいでしょう。
・商談の目的を明確にする
・結論から先にいう癖をつける
・結論に対する根拠をあらかじめ用意する
・日々なぜなぜ思考を繰り返す
ぜひロジカルシンキングを日常の営業活動で活用し、自社の提案力を高めましょう。
3.インサイドセールス導入のススメ
オンライン営業の活用と同時に、導入をお勧めしたいのがインサイドセールスです。インサイドセールスとは、顧客訪問せずにメールや電話を活用し非対面で行なう営業行為です。電話・Eメール・WEB会議などを活用し、通常の営業活動の一部もしくは全てを遠隔にて実行します。それに対して、従来から行われていた訪問を中心とする営業活動はフィールドセールスといいます。インサイドセールスはもともとアメリカで普及しました。国土の広いアメリカでは、取引先をフィールドセールスだけでカバーすることが難しいため、電話等非対面での営業活動が活発でした。今、主流になってきているのはインサイドセールスとフィールドセールスの組み合わせです。両者を組み合わせることで、効率も良く、成果も出せる強い営業組織を作り上げることが可能になります。
一見オンライン営業とインサイドセールスは同じように思われる人もいるかもしれませんが、インサイドセールスの導入目的は営業の「分業化」です。具体的には案件を育てる部隊と刈り取る部隊に分けるのです。インサイドセールスはすぐ受注にならない顧客を育てて、どうフィールドセールスに繋ぐかがポイントになります。
ひとつ導入事例を紹介します。ある製造業の営業部では、展示会に出展して見込み客を獲得してもうまくアポイントに繋がらなかったり、既存顧客を放置してしまい他社に取られたりとなかなかうまく機能していませんでした。そこでインサイドセールス部隊を導入し、以下のように業務を切り分けしました。
インサイドセールスは展示会等で獲得した名刺から、見込み顧客に対して、継続的にメールや電話でアプローチを実行しました。予算やタイミングをヒアリングし、最適なタイミングでアポを獲得しました。アポが取れれば、即座にフィールドセールスに繋ぎました。また、既存顧客への定期フォローを行ない、訪問希望があればこちらもフィールドセールスに繋ぎました。フィールドセールスはインサイドセールスから受けた見込み顧客に訪問し、ヒアリング・プレゼン・クロージングを担当しました。対面希望の既存顧客への訪問を行ない、顧客の囲い込みを図りました。これにより、フィールドセールスは訪問営業に集中化でき、訪問数が前年度150%アップし、受注率が前年度130%向上し、売上拡大に繋がりました。
インサイドセールスの導入メリットは主に以下の3点になります。
①営業効率があがる
②少ない営業部員で成果を出せる
③見込み顧客へ漏れなくアプローチできる
が挙げられます。
つまりオンライン営業に加え、インサイドセールスを導入することで、さらに営業を効率化しながら売上拡大を図ることが可能になります。
なお以前インサイドセールスについてまとめたブログがあるので参考にしてみてください。
インサイドセールス導入のススメ
アフターコロナとインサイドセールスについて
4.オンライン営業を活用した営業強化方法
このオンライン営業の大きなメリットの一つは営業スキルアップに活用できるという点です。ここではオンライン営業を活用した営業強化方法をご案内します。
①同席営業を増やす
個々の営業スキルを強化するには、OJTが有効です。一番いいのは同行営業を増やすことです。オンライン営業上では、移動しなくていいので、対面営業よりも同行件数を増やすことが可能になります。敢えてこの行為を同行営業ではなく、 「同席営業」と呼びます。社長や営業マネージャーは是非多数の営業場面に同席し、OJTを実行すべきです。
新人はもちろん、ベテラン営業のトークや商談の組み立てをチェックしましょう。営業現場こそが最もブラックボックスになりがちです。
②現場情報を共有する
組織的に営業力を強化するには、できる営業の現場を見せること、やり方を共有することです。これもオンライン営業で実施可能です。つまり録画機能を使って、営業トークを共有し新人教育に活用したり、営業上での成功事例や失敗事例を共有することができます。成績のいい営業パーソンのトークを参考にしたり、交渉の仕方を見せるなど対面営業では限界があった共有場面が増え、営業強化に役立ちます。
5.成功事例と失敗事例
私が聞いたオンライン営業の成功事例と失敗事例を紹介します。
以下が成功事例です。
・既存顧客フォローをすべてオンラインに切り替えたため、フォロー率が高まり、解約率が減少した(SFA販売)
・遠方顧客との初回面談からクロージングまでをオンラインで実施した(ITサービス)
・移動時間が減って残業が減った(広告代理店)
・全て対面営業からオンラインに切り替えたが、順調に新規受注数を確保している(ネットショップ支援)
やはり成功しているのは、IT企業が多いですね。そもそも社内でのIT活動度は高いため、活用が進んでいるのでしょう。またITサービスを提供しているため、顧客側もIT活用度が高く、導入がうまく進んでいることがうかがえます。効果としては、移動時間の削減により、訪問数が増えたり、フォロー率が高まるような効果が多いですね。
では逆に失敗事例を見てみましょう。
・オンラインだとアポイントが取れないと思い込み、従来の訪問営業を行なっている(製造業)
・オンラインだけだと情報提供だけで終わってしまい、クロージングまで進まない(経営者向け情報サービス)
・業界にオンラインが浸透していないため、当社だけ実施できない(飲食店向けサービス)
・オンラインだと相手の本音が聞けず、距離感が縮まらない(ネットショップ支援)
失敗事例を見ると、業界慣習や思い込みが邪魔をしているケースが多いかと思います。またオンライン営業にもデメリットはあるので、すべての営業活動をオンライン上で解決するのはそもそも難しいと認識したほうがいいでしょう。
最後に、これだけメリットの多いオンライン営業ですが、営業活動すべてをこの手法でカバーできるとは私自身も思っていません。大事なのは、なぜ導入するのかという目的を明確にすることと、営業活動のどの部分にオンライン営業を活用するかを考えること、最後に対面営業の効率性と効果性を改めて考えることです。
実践編は以上になります。ぜひオンライン営業を自社で有効活用して、営業力を強化し、売上を上げていきましょう!